
現在の水城跡は、樹木が繁茂し緑地のようになっていますが、
この水城跡を保存するために、
土塁の樹木を管理することが必要です

今回、文化財課の呼びかけで、
水城跡西門東側の樹木植生調査を行うことになり、
10数名の方が集まりました

ボランティア活動としての呼びかけは、10年ぶりのことです

作業内容は、
樹木の間隔を保ち、一定の高さに抑えるために、
剪定や伐採を行うことです

日光が土塁の表面にまで届き、
腐葉土や下草によって、土塁の表面を保全します。
まずは、現在の状況を知るために、
説明を聞きながら土塁の稜線を歩きました

太い木、高く伸びた木、枝が広く張った木が茂っています。
うっそうとした感じがしましたが、
土塁の様子がわかり、その役割を実感しました

いろいろな草花が生えています

クサギ
サワヒヨドリ
よく聞く名前だけど初めて姿を見た花。
万葉集にも書かれている草花。
その草花の名前の由来や、それにまつわる話など、話も弾みます

カマキリのたまご

いよいよ、樹木植生調査開始です

@ 10m×10mの区画を作ります。
A ひと区画の中の樹木に、1本ずつ番号を付け、
木の名前、位置、高さ、根張り、枝の広がりを測定し、
全て図面に書込みます

足元の草花まですべて

チームワークが必要な作業です


B 区画ごとの図面を、全体のマップに書き込むと、
土塁全体の植生マップのできあがりです

それを見ながら、樹木の性質も考慮して、この木を切るのか、
残すのか


専門の方の説明を聞きながら、測定の練習です。

釣竿みたいな計測器を使って、木の高さを計ります。
上を見て、枝の張りを計っています。
枝張りを計ることで、根の張りがわかります

保全のための作業もしました

草刈りや剪定の作業は、専門の方の指導を聞きながら

慎重に行います。
みなさん土塁の傾斜に張り付いて、黙々と作業をしています。
足場が不安定なので、
お互いの安全確認の声が、にぎやかに飛び交います

一度に広い範囲はできませんが、
今日の作業範囲は枝や下草が刈られて、
土塁の稜線が見えてきました

すっきりしましたね。
この調子で、調査と作業を続けます。
水城跡西門の西側は、
水城ゆめ広場につながる、史跡散策周遊コースが整備されています

こうして史跡を守りながら、
緑地の中を散策する健康づくりの場として、
今でも水城の土塁は活用され続けているのですね

(紀)